ギックリ腰の病態



当院で多い症例の一つにギックリ腰があります。

ギックリ腰とは急性の腰痛で腰部の組織を損傷し炎症のある腰痛です。

急に腰が痛くなり動けなくなるため「魔女の一撃」と言われたりもします。


症状としては腰が痛くて腰を伸ばせない、腰が痛くて腰を曲げられない、じっとしていても腰が痛い、腰に力が入らない、腰が痛くて動くのが大変、腰が痛くて起き上がれない、寝ていても寝返りの時に痛くて目が覚める、腰が痛くて寝ていられない等が多いです。


痛みの度合いも腰部の組織が損傷されて炎症が起きている痛みなので明確な痛みで、強い痛みです。


損傷する組織によって痛みの場所、治るまでの期間が変わってきます。



 


腰部の筋肉を損傷して炎症が起きている場合


損傷している筋肉に痛みがでるため腰の右が痛い、左が痛い、真ん中が痛い等痛い場所が明確な場合が多いです。

大体3~4日で筋肉の損傷が修復されてくるため炎症が消失して痛みがなくなってきます。

修復された筋肉が正常な強度や柔軟性にもどるまでに数日かかるため無理をすると同じ筋肉の組織を痛めてしまうため注意が必要です。



腰部の椎間板や靭帯を損傷して炎症が起きている場合


腰の真ん中や腰全体に強い痛みを感じている場合が多いです。セキやくしゃみで腰に響く痛みを感じる方も多いです。椎間板の損傷が大きくヘルニアになってしまった場合は足へのシビレや痛みを感じる場合もあります。


椎間板や靭帯の損傷の場合は組織が修復されるまでに時間がかかるため大体5~7日で炎症が消失して強い痛みはなくなってきますが、修復された組織が元の強度にもどるまでは痛みを感じることが多いです。


ヘルニアになってしまった場合は腰部の痛みが緩和されてから足へのシビレや足への痛み神経痛を感じてくる方もいます。



腰部の骨を損傷して炎症が起きている場合


腰の真ん中や骨に響くような痛みが多いです。

病名で言うと腰椎の圧迫骨折、腰椎の分離症、すべり症、横突起の骨折などがあります。


転倒してから腰が痛くなった、尻もちをついてから痛くなった、スポーツをしていて痛くなった、スポーツ中に相手との接触があり痛くなった、スキーやスノーボード等で転倒してから痛くなった等明らかな外傷があり腰がギックリ腰のような痛みが起こっている場合は骨の損傷がある場合があります。骨の損傷がある場合はコルセット等で固定が必要になります。

骨の損傷がある場合は2~4週間ぐらい組織の修復までかかります。



 


ギックリ腰も身体の中で起こっていることはひとつではありません。


発熱がみられる場合は化膿性脊椎炎や骨の腫瘍、腎臓など内臓からの痛みの場合もあります。


発熱がある場合、転倒したりスポーツ中のコンタクト等明らかな外傷があってギックリ腰のような痛みになった場合は整形外科の受診が第一選択になります。


ギックリ腰の治療は組織の損傷の修復を早くするための治療をして炎症を消失させる治療になります。


ギックリ腰も適切な処置や治療を行うことが大事です。組織の強度が元の強度に戻る前に無理をしてしまうと再度ギックリ腰になってしまったり、ギックリ腰になった原因を解決しないままにしておくと慢性的な腰痛に移行していったりします。

ギックリ腰は放置せずに治療しましょう。